生を咀嚼する

生きながらいろいろなことをよく噛んで飲み込むブログ

金もあるし生きたいを求めた話(5-4)

優しき歯医者さんのおかげで、この頃には歯痛もなくなり身体的にも精神的にも開放感に満ち溢れていました。

なにより、冷静に物事を考えれるぐらいに落ち着けている状態、というのが非常に救いです。

 

残りの1ヶ月も、最後の1ヶ月だ、と思ったら自然と全力で向かえたものでした。

個人個人のやり方に不満を抱きつつというのは変わらなかったのですが、これからもそれが続くと思っていたあの頃に比べたら、大目に見れて、かつ柔軟な誘導ができました。

 

視点が私のみなので、語ってはいませんでしたが、もちろん自支店、他支店ともに人の入れ替わりは頻繁にありました。

引っ越し」という業種故、短期の学生アルバイトさん、フリーターの方、いろいろと入れ替わりがあったのですが。

社員さんも数人は退職していくということもなくはなかったです。

 

その中で、本編には登場していませんでしたが、西支店からも社員さんが辞めたという話は私の耳にも入ってきていました。

 

そして引っ越し最終日、トラック内で今日が最後だなぁ、なんて思いつつ外をぼんやりと見ていたら、交通整理をしている若い男性と目が合いました。

 

どこかで見たことがあるなぁ、もしかして、、、。

それを思ってすぐぐらいでした、私のスマホに着信が入りました。

 

上野さん「今、トラックで通ったよな!!目合ったよな!!」

やもしゃ「やっぱり上野さんでしたか(笑)」

 

森さんや西支店の化け物2人よりかは、全然絡みが少なかった、西支店をもう退職した上野という男性と、奇跡的に遭遇、という。

互いに元気そうでよかった、なんてまともな話をして、私も実は今日がラストなんですよ、なんてヘラヘラ言って。

 

自支店所属ということもあって退職をすると聞いても都合よく他支店の人と会えるわけではないので、なんというか、最後の最後、対面で会話をしたわけではないですが話せてよかったな、と思えました。

 

最後の現場が終わり、支店に帰庫する。

今日の現場のゴミなどを片付けて。

とりあえずタバコを一本吸って。

支店の外で今日の現場の話で他のチームと話したりして。

変わりませんよ。

いつも通り。

でも、それも今日で最後です。

選択したのは、他の誰でもない自分だ。

 

癖で明日の配車表を確認しようとして、一瞬立ち止まる。

ポケットの中のチビドライバー六角棒

握り締めながら、踵を返し。

 

いつも通り、いつも通り。

わざと明るく

 

やもしゃ「お疲れ様でしたー!!」

支店内の人間もいつも通り。

おう、お疲れー!

なんて。

 

私も支店の他のみんなも、

明日もまた出勤だ、みたいな空気で。

 

最後にまたいつもの喫煙所でタバコを吸った。

冬になると喫煙所の自動販売機にはコーンスープ並ぶ。

お世話になったなぁ。

この時期、ギリギリないかぁ。

最後に飲みたかったなぁ。

 

5分ほどで燃え尽きてしまう紙。

この火を水の溜まったバケツに着けたら、私はもう引っ越し屋じゃなくなるんだ

 

5分なんてあっという間だよ。

1年半働いた引っ越しの記憶の10分の1すらも思い返せないほどに。

 

あっという間だった。

 

僕は頭が悪いから。

思い出に浸るのには時間がかかるけど。

僕も感情のある人間だから。

辛かった、楽しかった、そんな1年半はタバコと同じだ。

 

1年半、あっという間だった。

今でも胸を張って言える。

引っ越しは楽しいよ。

すごく。

 

すごく、楽しかった。

やれてよかった。

 

次回もよろしくお願いします。

 

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